外来種問題に寄せて 「たった3匹のバス」放流から・・   小さな溜め池からの警告!

 

 平成15年12月10日・11日両日、中濃地方の、ある溜め池の水が、
無責任な何者かが放流し、繁殖したと思われるブラックバスの駆除を目的に抜かれました。
その際に、現場で立ち会った
岐阜・美濃 生態系研究会のメンバーからの報告です。
(平成15年12月10日・12日の二日間にわたり3名が参加しました。)

                                        聞き書き・文責
                                        岐阜・美濃 生態系研究会  酒向 正美

お詫びして、訂正いたします。正確な日にちと
無責任な何者かが放流したブラックバス の部分を 
無責任な何者かが放流し、繁殖したと思われるブラックバス に改めました。

 

 過去の証言から   @ 10年ほど前の状況 ・・ A氏
              A 4年前の状況     ・・ B氏    

@  A氏が子供の頃から魚を捕り、トンボを追いかけてあそんだ溜め池でした。
  そこには、
メダカ、タモロコ、モツゴ、カワバタモロコ、ヨシノボリ、ドジョウ、スジエビなどがたくさん
  生息していました。 また、トンボなどの昆虫もたくさん見る事ができました。
   ある時、A氏が魚を捕獲してみると少し様子の違う「モツゴ」がいる事に気づき
  魚のことに付いて詳しい知り合いに相談しました。
  図鑑などで色々調べた結果、
ウシモツゴ(?)だと思われました。
  
※ (?)をつけたのは当時、正式な同定ではなかったからです。

A  この地方の自然に詳しいB氏は、長年この地方の溜め池に棲む生物の種類などを調査・研究し、
  自宅においても数多くの水槽で、メダカやモツゴ、ヨシノボリ、ナマズ、タナゴ類を飼育しています。
   B氏もこの溜め池に生息する
ウシモツゴ(同定済み)が貴重な存在である事を知り、
  近くにある小学校と協力をしながら守ろうとしていました。
  水槽での飼育や自然観察会をおこなったり、生態についての学習会をおこなっていました。
  ところが、昨年頃より
バス釣りをする人の姿を多く見かけるようになりました。
  ブラックバスの魚影も池を訪れるたびに増えていたので、他の魚たちが食べられているのではないか、
  いなくなってしまうのではないかと心配していたそうです。
   実際に、ブラックバスの魚影が見られるようになる前までは、水面付近を群れなして泳いでいた
  メダカの姿は消えていました。

  ウシモツゴの同定に付いて  当時B氏が直接「琵琶湖水族館」に持ち込み学芸員の方に観ていただいたのと
               萩原に在る、県水産試験場の職員の方にも確認を取られたそうです。

 

 当日は、地元の池管理者、市役所職員、市議会議員、小学校の児童と先生、
 そして我が研究会の会員が参加しました。

◎ 捕獲できた魚種及びその大きさ・数量

● コイ             50cm〜60cm    約30匹
● フナ(マブナ・ヘラブナ)  18cm〜35cm   約400匹
● ブラックバス            約45cm       3匹
●    〃           20cm〜25cm    約80匹
●    〃           15cm〜20cm   約200匹
● イシガメ ♂             12cm       1匹  

※ 以前に見る事ができたメダカ、タモロコ、モツゴ、ウシモツゴ、カワバタモロコ、ヨシノボリ、ドジョウ
  スジエビやトンボのヤゴといった生物が全く姿を消していました。何処へ消えてしまったのでしょうか。
  
  そして、コイ、フナの捕獲個体の大きさが偏っている事
(稚魚がいない)から、
  
世代交代が出来ていない(稚魚のうちに食べ尽くされる)事も分かります。
  
いずれ絶滅するであろう事も予測できます。(成魚が寿命を迎える)


 
「捕獲後の検証」の為、45cmクラスのブラックバス3匹を良く見ると、顔つきや体形により
オス1匹・メス2匹だと予想できました。(後で、腹を割いたときに卵巣、精巣を確認出来ました。)
そこで、メスと思われる固体の腹を割いてみると胃袋の中からは、頭部が少し消化された20cmを
超えるほどのフナが出てきました。別の固体からは、25cmもあるブラックバスが出てきて驚きました。
 自分の体長の半分程度の大きさなら飲み込んでしまえる事になり、捕獲できた魚の種類や大きさに
偏りがあるのも納得のいく結果でした。 また、
共食いする事実も確認できました。

 
捕獲したブラックバスのサイズ構成からも分かるように、およそ3年前にたった3匹のバス放流から
この池の悲劇とも言える生物種の減少を招き、生態系に大きな影響を与えた事の証拠になると思います。

 今後の課題としては、
 あちこちでこのような
外来種の駆除が行われると思いますが、単に駆除だけを目的に
するのではなく
在来種にどんな影響を与えたのかをデータとして、教訓として、記録し
残しておくべきだと思います。
 今回の溜め池の例では、大型のメス2匹だけの腹を割いて胃の内容物を調べたのですが、
大きさを分けてサンプルをもう少し多く取り、写真も撮っておくと良かったと思います。  

<お詫びして、訂正いたします> 2004.1.27  文責者 酒向 正美
 UP当初の文は以下の通りでしたが、匿名の方よりご指摘があり下線の部分を訂正いたしました。
 内容につきましては、当日に実際の行為を行った者に確認をしました。


 
「捕獲後の検証」の為、45cmクラスのブラックバスを良く見ると、オス1匹・メス2匹だと分かりました。
そこで、メスの腹を割いてみると胃袋の中からは、頭部が少し消化された20cmを超えるほどの
フナが出てきました。別の固体からは、25cmもあるブラックバスが出てきて驚きました。
 自分の体長の半分程度の大きさなら飲み込んでしまえる事になり、捕獲できた魚の種類や大きさに
偏りがあるのも納得のいく結果でした。 また、共食いする事実も確認できました。

                              ホームへ戻る