<事業報告>

  平成16年11月20日(土)〜21日(日)   (於) 関市・わかくさプラザ 総合福祉会館 3F会議室

  講師  大阪教育大学 教授 近藤高貴氏
  
  主催  岐阜・美濃 生態系研究会
  
  後援  岐阜県中濃地域振興局、関市、関市教育委員会、環境ネットせき、関ホタルの会 

  皆様のご協力とご声援により盛会にてこのシンポジウムを終えることが出来ました。ありがとうございました。


カタナガイ
刀貝を知っているカイ? 〜発見! 水辺の生き物たち〜


11月20日(土)  13:30〜17:30  関市の水辺の生き物エクスカーション(現地案内)
           シンポジウムに先立ち、講師の近藤先生に現地を見ていただきました。


11月21日(日)    9:30〜12:00  シンポジウム

寺田川での調査のようす オバエボシガイ(左)・イシガイ(右) 種ごとの大きさと個数を記録する

プログラム

1) 関市の水生生物についての講話  後藤常明氏(関市立金竜小学校校長)

   関市の水生生物(平成6年)の著者のお一人である先生に貝類や淡水魚を中心に関市の自然の豊かさや、その重要性について解りやすく
   お話をしていただきました。当時の調査の内容なども聞くことが出来ました。

   当時の調査からすでに10年程が経過し、今回の調査(我々の研究会による調査)で淡水二枚貝の生息場所が減少しているようです。
  用排水路の3面コンクリート化や、乾田化、あるいは農薬の使用など、農業においても作業の効率を重視し身近な生き物たちにまで
  気を配ることなく、人間中心で物事を考えすぎているようです。
   また、水辺で遊ぶ子どもたちの姿も本当に少なくなりました。危険である汚くなるなどの理由で子どもたちを遠ざけ、小さな生き物たちと触れ合う
  ことで育つであろう思いやりの心まで失う事になってはしまわないか危惧するこの頃です。

2) 淡水性二枚貝から見た水田生態系の保全  近藤高貴氏(大阪教育大学教授)               

   イシガイ類の生活史や、タナゴ類に利用されているようで実は・・それらの稚魚を捕食しようとやってくるオイカワ・カワムツ・ヨシノボリ類などを
  上手く利用して子孫を残す(遠くへ運んでもらったりもする)工夫をしていることなど、淡水性二枚貝研究の第一人者のお話は興味が尽きず
  楽しく聞くことが出来ました。貝の幼生(グロキディウム)が魚の鰓や鰭にかじりついて寄生する・・なんてとても面白いです。

   自然の河川に比べ農業の為の用排水路に二枚貝が多く生息するのは、河川に比べ水量や流速が安定している事(洪水等も少ない)や、
  そこに流入する豊富な栄養素によって餌となる藻類も多く供給されるからです。
   また、人が定期的に行なう草刈や泥ざらえによっても安定した低質を保つ事になるのです。
  それが、減少の一途をたどるのは、前出の通り3面コンクリート化や乾田化による生息場所の喪失が主な理由です。
  生物の多様性が言われる今日、もう一度考え見直す必要があるように思います。 

3)  研究会会員による現況報告 

 ・ 平田和雄氏
   昨年度寺田川を調査して分かった事・・
  オオカナダモが繁殖しすぎて、低床にヘドロ状のものが溜まっているような場所ではカワニナの生息数もあまり多くなく、流れの複雑になった場所に
  多くのカワニナや魚類を見ることが出来ました。以前行なった川床に玉石を敷き詰めた場所でも、玉石の隙間に泥が溜まってヘドロ化していました。
  石も全面に敷き詰めるのではなく、水の流れがよれたり渦を巻いたりと複雑になるような工夫が必要だとわかりました。
  水深、流速、川床の砂質の違いなど多様な環境を作り出すことで、そこにすむ生物種の数も増え多様化すると思われます。

 ・ 塚原幸治氏
   山後池、赤谷池の池干しに立ち会って・・
  近年、外来生物による在来種への影響に付いて言われる事が多くなってきました。
  山後池、赤谷池も外来種の入り込みがあり、池干しの際に立ち会って調査を行いました。<外来種問題>参照
  結果としては外来種を中心とする非常に貧弱な生物相となり、前生態系が破壊されてしまっているといえます。
  
   赤谷池にはドブガイが数多く生息をしていますが、外来種を中心とする貧弱な生態系の中では繁殖も上手く行かずに
  いずれ絶滅してしまう事も予想されました。今後もこういった小さなため池の調査を続けながら詳しいデータを出すとともに
  外来種に関しての対策等も考え実行していくべきだと考えています。

 ・ 三輪芳明氏
   関市の自然環境に付いての提言
  私たちの研究会は発足以来3年ほどの短期間ではありますが活動(調査、ビオトープ造り、教育支援)を続ける中で、今、自然がピンチである、
  生き物たちが悲鳴を上げているという事に気がついた以上は自然環境に配慮した人間活動を行なっていく必要があると考えます。
  行き着く先は生物多様性の保全であり、様々な生き物に様々な生きる場所があることを理解し考えねばなりません。
  今後は二枚貝以外の生き物や、水辺以外の環境にも目をむけて調査を続け守るべき自然とその方策を提案していきたいと思います。
  貝の調査に付いてもこれにとどまらず、継続的なモニタリングにつなげたいと考えています。

資料展示 近藤教授の講演 パネルディスカッション

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